3月の診療予定について
2018年12月13日医学部での講義および大学病院での診療のため、3月31日は休診とさせていただきます。
ご理解くださるようよろしくお願いします。
寒いと筋肉が収縮し、その間を通る末梢神経は圧迫されて傷つき、痛み(神経痛)を感じやすくなります。
神経痛と一言でいっても顔面神経痛や肋間(ろっかん)神経痛など、さまざまな種類があります。
ここでは鍼灸院や病院を受診することが多い坐骨(ざこつ)神経痛について取り上げます。
坐骨神経痛は症状の総称で、病名ではない
坐骨神経は、脊椎(せきつい)の中を通る脊髄(せきずい)と呼ばれる神経の束から枝分かれした末梢神経で、お尻から足の後ろ側を通ってつま先へと伸びています。
この坐骨神経に沿って現れる痛みやしびれを総称して坐骨神経痛といいます。
したがって、坐骨神経痛は症状を示す言葉であって、病名ではありません。
坐骨神経痛は、左右いずれか一方に生じる場合が多いのですが、両側に現れる場合もあります。
その症状は、「いつもお尻に痛みやしびれがある」、「足が激しく痛み、歩けない」、「寝ていても足が激しく痛む」、「体をかがめると痛い」などさまざまです。
重症になると、しばらく歩くと足が痛くなって歩けなくなり、少し休むと楽になるが、再び歩き始めるとまた痛みがぶり返す「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」や、排尿・排便障害などが起こってきます。
腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などが原因
坐骨神経痛を引き起こす代表的な原因には、腰椎椎間板(ようついついかんばん)ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)、変形性腰椎症、お尻にある梨状筋(りじょうきん)という筋肉が坐骨神経を圧迫する梨状筋症候群などがあります。
また、ガンが骨盤や脊椎に転移したり、骨盤や脊椎そのものにがんが発生したりして坐骨神経痛が現れることもあります。
1~2週間たっても痛みが治まらなかったり、だんだんひどくなるような場合は、早めに鍼灸院や病院を受診し、原因を突き止め、適切な治療を受けることが大切です。
薬物療法や運動療法などで痛みを改善
検査には、問診のほかに、足を持ち上げたりして神経の状態や障害の程度を調べる理学検査、エックス線検査、MRI(核磁気共鳴画像)検査などがあります。
これらの検査で診断が確定したら、その原因に応じた治療が行われます。
坐骨神経痛を改善する治療法には、薬物療法や鍼灸治療、運動療法、温熱療法などがあります。
痛みが強い場合には、痛みの元になっている神経に直接麻酔薬を注入する神経ブロック療法が用いられることもあります。
こうした治療でも痛みが軽減しない場合や歩行障害などがある場合には手術が検討されます。
しかし、当院では手術を検討しなければならないような重度の痛みや歩行障害がある場合でも、当院「のみ」がおこなうことのできる「硬膜外刺鍼(こうまくがいししん)®」は、坐骨神経痛に非常に効果が期待できます。
また、正しい姿勢を保ったり、同じ姿勢を長時間続けないなどを心がけることは、坐骨神経痛の軽減や予防につながります。
なお、坐骨神経痛をはじめとした神経痛についてわからないことがあるときは、お気軽におたずねください。
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